繭の記憶

あるマゾにまつわる物語。

discipline #26 初冬

季節が変化していく時期を美しいと思う。そんな素敵な時期に、主と旅に行くことができた。

主が助手席に座り、私が運転をする。男女ではなく主従を感じられるこの役目も幸福の1つ。旅行の前には主に楽しんでいただけそうなスポットを探し、過去のお言葉からお好きな食べ物や遊びがどのようなものかを考え計画を立てる。主が「繭の好きなところでいいよ」と仰るからこそ、より、楽しんでいただきたいと思うのかもしれない。

紅葉まつりが行われていた河口湖までのドライブ。会話しながら、主がたまに微睡んでいる。日差しはまだ暖かく、車内の穏やかさがそれに溶けていくような気がした。

少し道に迷ってしまい、河口湖の湖畔で車を止めた。そのまま、主がカメラを片手に湖に降りられていく。穏やかな時間の過ごし方をしているなぁ、と思わず笑みがこぼれた。「繭、縄を1本出して」と言われて、突然のことに驚きながら、嬉しくなる。そのまま、さっと後手で縛られた。

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穏やかな空気の中で、わずかな緊張が足されていく。従者だと思えるこの空気感がとても好き。一度解かれて、またすぐに今度は股縄に変わっていく。野外での羞恥は苦手、でも主には楽しんでいただきたい。自分ではない自分がそこにいる。そして、主はいつだって、その状況が安全かを冷静に見られている、そのことが心に平穏を戻していく。

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また、車を走らせる。真っ赤な紅葉がいたるところにあり、その度にお互いに笑顔になる。やっぱり、私は秋が一番好き。

宿泊する山荘についた。周りには何もない、まさに二人だけの空間。主が晩御飯の下準備をされ、それを手伝いながら荷物の整理をする。こういう時に、何をどのようにすればよいか、この1年ですっかり分かってきた。

ご飯の下準備を終えると、縄が始まった。下着は早々に剝ぎ取られ、従者から奴隷に堕ちていく。上半身を縛られた段階でバルコニーに連れ出された。そのころにはぐっと気温が冷えていたが、高揚した体はあまり寒さを感じなかった。脚を大きく開かれ、そのままの体勢で固定されていく。股縄の痛みと体勢の苦しみがあっという間に私を絶望に落としていく。痛みを逃そうと体を動かしてみたが、そんな自由はもちろん与えられていなかった。

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写真を撮られた後、左脚の縄が解かれていく。お許しをいただけるものだと思っていたのに、すぐに再び縛られた。苦痛が幾重にも足されていく。

「お前の誕生日だからな」

と主が仰った。前日の私の誕生日はすでにたくさんの表現でお祝いをいただいてたのに、さらに極限の苦痛という最高のプレゼントを与えていただいるのだと分かり、幸せが増幅していく。

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限界を超えて責め切られた後、縄が解かれた。暖かいお風呂に入り、BBQを楽しんだ後、私たちは少し寝てしまっていた。そして、深夜、さらなる拷問縄を受けることになった。

(続く)