繭の記憶

あるマゾにまつわる物語。

intercourse

恐怖に惚れる

彼が与える苦痛はいまだにそこが見えない。普段は穏やかで楽しいのに、突然の一言で堕とされる。男性器恐怖症のはずなのに、彼のそのものだけは無性に欲しくなり、居ても立っても居られないほどになる。私を逝かせ続け、壊し、そして現世に戻し、また壊す。…

intercourse #1 恋愛

「逝け。」 声なんてとうに出ない。呼吸さえろくにさせてもらえない。ただただ快楽に溺れ、言葉に操られている。何時間経っただろう。どうやら夜が近づいているらしい。今日もまた何百回と逝かされ、私はそのまま意識を失ってしまうのだろう。 出会いは数ヶ…