繭の記憶

あるマゾにまつわる物語。

discipline #24 撮影

2人の縄とはまるで違う空気。ブログから繋がったご縁で撮影をしていただくことになったその日は、一縄から主の気迫がまるで違うものだった。

部屋の中は至ってシンプル。加虐性癖のもの、被虐性癖のもの、その二者の関係を撮影することが性癖のもの。シンプルだからこそ、己の性癖を何一つ隠さずに出すことができる、その悦びと興奮が張り詰めた空気に強烈な熱を帯びさせていく。

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スリップは早々に剥ぎ取られ、胸が露わになる。一年前には酷いコンプレックスを持って、この胸を人前に出すことを拒絶していた私は、主の縄や写真に救われ、自身の意識が大きく変化していたことに気づく。

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首に縄が通り、頸動脈を締める。私の呼吸を操作し始める。胸もお腹も、そしてもちろん股縄も、その全てが私を苦しめたるに十分なもので、私は早々に縄に溺れていった。髪の毛を掴まれること、縄を強く引かれること、そういう動作で私がどうなるかを主はよく分かっている。縄をしている時はまるで操り人形のように主に操作されているような感覚がある。

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股縄を仕込まれてまた体を起こされた。体を横にすることも許されず、座ったままで責めが続く。楽な体勢にすることは決して許されない。そのまま髪の毛を縛られ、体が倒れそうになると、また戻され、戻されればお腹の縄がお前の場所はここだと知らせてくる。

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竹が背中に仕込まれる。体の不自由さは格段に上がり、首に仕込まれた縄はさらに私の呼吸を止める。竹の口枷を仕込まれ、自分の唾液が飲み込めなくなる。背中の不自由さから逃げるように前方に倒れると、その逃げ道を防ぐために喉にも竹を通された。呼吸が極限まで困難になる。そして胃から何かが押し返されるような感覚もある。口の中の唾液は居場所をなくし、喉に集まってくる。ただしその唾液は決して体の中に入ることはできず、私の呼吸をさらに阻害する。こんな僅かな唾液で私はあの世へ行ってしまうのではないか、という恐怖が芽生える。なんとか流したいがそんなことをできる力はもうない。意識が遠のいていく。自分がどこにいるのか、何をされているのかさえ分からなくなる。主の熱だけは最後まで感じているが、それさえ何ものなのかも分からない。わかりやすく言うなら、「三途の川」が見えている状態だ。

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意識が戻り始めると体から竹がなくなっていた。縄が少しずつ解けていくと同時に、その場の空気も熱を帯びたままに緩んでいく。主の顔に笑顔が見え、私も思わず笑顔になる。撮影してくださってた方にも暖かい笑顔が見えた。

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そして気づけば、大好きな女王様が到着されていた。女王様の顔を見るだけで更なる興奮と幸福に満たされていった。

 

 

(続きます)

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