繭の記憶

あるマゾにまつわる物語。

discipline #2

今日はシティホテルでの調教日。

定時で仕事を終え、主のもとへ急ぐ。

 

少しだけスカートが余裕を持って履けるようになった。その変化がとても嬉しい。お気に入りのスカートはこの日のために取っておいた。

 

ホテルに着くと、主は寝ていた。お疲れなのだろうか、、。

 

「まゆ、、こっちおいで、」

優しく名前を呼ばれて、近づくと、そのまま強引に頭をベッドに押さえつけられた。お尻を叩かれるということはすぐにわかる。

 

主と出会ってから、お尻の痣が消えたことはない。いつも消える前に新しい愛情の証が増えていく。再び足していただけることに嬉しさを感じながらも、強烈な恐怖もあった。今日はどこまで打たれるのだろうかと。

 

主のスパンキングは痛みが押し込まれるような感覚の重いもの。一つ一つが、私の体に刻まれていく感覚が強い。

 

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主から受けたお尻はすでに減紫へと変色をしていた。愛情を全身に感じながら、私は何度も果てていた。

 

「ウォーミングアップ終わり」

 

主の一言に、今日の調教の長さを感じる。奴隷でいられる時間は、最も自分らしくいられる時間。嬉しい。。。。でも、やっぱり怖い。

 

主が縄を出された。それだけで心が躍る。今からの時間は主から受けるどんな苦痛も、受け止めていくしかない。その、選択肢のなさが、私を日常から解き放ってくれた。

 

胸、、そして、強烈に苦しいお腹を縛られた後に、今まで経験したことのない股縄をいただいた。痛い、苦しい、言葉にならない叫び声をあげてしまう。

 

「うるさい!静かにしろ!」

いつもは冷静な主が荒げた声を出された。それさえも私は感じてしまう。本当にどうしようもないマゾだ。

 

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気がつくと、私の体は1ミリも動かなくなっていた。音の情報に敏感になる。鞭か、、洗濯バサミか、、、それとも撮影か、、

 

主と出会う前、私は自分が縛られている姿を写真に収められたくないと思っていた。自分の体が嫌いだから。コンプレックスの塊だから。

でも、主と出会って、主の写真に収められた私は、きちんと奴隷の姿で、主がそれを記録してくださってることが何よりも嬉しかった。

撮影が進んでいく。股縄の責めは全く動かなくても容赦なかった。全身から汗が吹き出し、全ての感覚が股縄に集約されていく。もはや痛みしか感じられなかった。

 

そして、その絶望の中、鞭を打たれた。これまでの人生で最も辛く、苦しい時間だった。調教とはまさにこの瞬間を乗り越えることなのだと思った。そして、何より限界を越えさせようとしている主の愛情が私に強烈に伝わっていた。

 

1秒でも早くこの縄を解いてほしい。そんな風に思えたのは初めてだった。縄で限界を越えていたのだろう。

 

下半身の縄を解かれて、少し楽になった体。でもまだ上半身は縛られたまま。この時間がたまらない。私にとってはご褒美のような時間だ。

 

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鞭の後でボコボコになった体。主の愛情が本当に嬉しかった。

 

縄を解いた後、甘い時間を過ごした。何を話したか、何をしたかは記憶から飛んでいる。でも、私の心が暖かかったのだけは確かだ。

 

「もう一縛。」

主の声でその場の空気が全く変わった。また、絶望を味わうのだと。

 

すでに私の体は満身創痍だった。お尻は何をしていなくても十分な痛みを感じていた。

 

全身に縄をかけられた後、髪の毛を縛られた。頭の先から足の先まで全てが主の縄によって支配されることになる。

 

足を大きく曲げられて、髪の毛を引っ張られる。苦しさがさらに強くなる。限界だ。それでも、容赦なく責めは続く。

 

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足の裏に鞭を打たれた。強烈な痛さ。この辺りから意識がない。痛みで意識を飛ばし、痛みで意識を戻していたらしい。縄を解かれたことも正直よく覚えていない。

 

 

 

「ご飯、食べに行くか。」

優しい主の表情に戻っていた。身支度をして部屋を出る。ホテルの廊下はすっかり静かさの中にあった。

「繭。四つん這い。」

私は迷うことなく主に従った。それが何よりの幸せだから。