繭の記憶

あるマゾにまつわる物語。

discipline #6

主のお家では、主がベッドに座ってその足元に私が座るのが定位置。主が私の太ももの上に足を乗せてくださると心が落ち着く。きっとそれを主も分かって下さっている。

 

少し気持ちが不安定になった次の日、主の足元に座りながらお言葉をいただいた。与えてもらうのではなく、何かを差し出してこそ従者だと、そして、そのような関係こそ、お前が望んでいることだろうと言われた。まさにその通りだ。自分が求めていた関係性を改めて認識するとともに、私の考えていることを理解して下さっていることに嬉しくなる。

 

主と出会うまでの満たされなかった被支配欲を補うように、主に与えていただいてばっかりだったこの1ヶ月。もうこの段階は終わりにして、従者として差し出すことを考えなければと感じた。

 

 

この日の縄はとても優しく始まった。いつもより胸にかかる縄が優しい。苦しさが少ない。そんなことを伝え、会話をしながら進んでいく。少し物足りない気持ちだった。

 

胸、お腹と縛られて段々と厳しくなってくる。それでも、普段の苦しさよりは少し優しい気がしていた。

 

それが、股縄をかけられた瞬間に変わった。こういうことか、、とようやく理解した頃には一気に足先まで縄が走り、苦しさと共に幸福感が無限に増大する。

 

そして、髪の毛を強く掴まれて縄で結ばれてしまう。さらにその縄が股縄に繋がる頃にはいつもよりも厳しい縄へと変化していた。

 

角度が変わり今度は後ろで結ばれる。体勢がキツくなり、呼吸が浅くなってくる。この感覚がたまらない。生きている、生かされているという強烈な感覚になる。

f:id:mayu_submissive:20201126203708j:image

 

「歯を食いしばれ」

 

そのお言葉で次に何がくるかが分かった。鞭だ。この苦しさの上に強烈な痛みが入る。

絶望感と共にたまらなく幸せな気持ちになる。今日はとことん責めていただけるのだと。

 

私は打たれた瞬間の強烈な痛みの後に続く、痺れるような痛みが好き。体から離そうとしても離れないその痛みに痺れる瞬間が私にとっての脳内麻薬だ。逃げようとしても逃げられない。体を起こして無理だと懇願しても、主が納得するまでは絶対に逃げられない。圧倒的な上下関係。。。。

 

気づけば調教で初めて涙を流していた。嬉し涙なのか、痛みの涙なのか、自分でもよく分からない。でも、心が温かくなって、主の奴隷だという感覚にたまらなく悶えていた。

 

鞭の痛みにケインの痛みが加わる。もはやどこが痛くて、どこが苦しいのかさえ分からない。絶望だけが私を包んでいた。その絶望こそが、私の居場所だ。

 

f:id:mayu_submissive:20201126205654j:image

 

「よく頑張ったな」

躾の後のこのお言葉がいつも嬉しい。このお言葉があれば、どんなことだって乗り越えたいと思う。

 

次の日、初めて私のことを「従者見習い」と呼んでくださった。身分をいただけたことがとても嬉しい。これまでは、自称「奴隷」だったけれど、少し存在を認めてもらえたのかな、、。

 

関係性がちょっぴり変化した躾だった。