繭の記憶

あるマゾにまつわる物語。

discipline #38 絶望こそ、加虐こそ

この感覚はいつぶりだ。初めて拷問縄でギブと言った日、鞭で痛みがなくなった日、股縄だけで吊られた日、私が一生忘れないであろう調教はいくつかあるけれど、その調教に匹敵する縄を受けていた。2時間前まで。まだ意識が現世に戻っていない。この文章は、完全にマゾのままで書いていることをご了承いただきたい。

基本的に平日は縄はしない、と言った主が「今日縛ってやるよ」と言われた時に気付くべきだった。そうだ、前も突然の縄で徹底的に痛めつけられたことがあったんだと。後手をされた時から強烈な気迫を感じていた。首に縄がかかった瞬間、私を殺しにかかっていることが明確にわかった。まだ首の片方にしか縄はないのに、それでも呼吸を奪われる。留を作られることに恐怖を感じ、そして腹部に押し込まれた縄に絶望を感じた。派手なことは何もしていない。吊りもしていない。それなのに、私は数えられないほど痛みで意識を飛ばし、痛みで意識を戻されていた。股縄の食い込みなんて、そんなの言うまでもなく私の陰部を壊し、そして、動くたびにそれはまるで牙のある動物かのように私を噛み殺していた。もちろん、まだ痛みは残っている。痛みが残っていると言うような柔なものではない。まともに歩けないほどに強い痛みだ。

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足を固定する角度をいかに苦しくするか、私が少しでも苦しい声を出せば主はその形で固定してしまう。逃げようとすれば足で蹴られ、じっとしろと言われる。言われれば体は素直に従う。痛みから逃げることなんて出来るわけもない。そのまま背縄が吊られていく。首縄が私の呼吸を壊す。逃げようとなんとか体勢を変えれば、殴られた。どれだけ逃げようが、元に戻されるのはあっという間だ。

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主が無言で私の頭を掴む。そのまま下に押し込まれ、呼吸が止まる。意識が無くなるあの感覚を今日は何度味わったのかさえわからない。戻れば次の苦痛が来る。背縄が吊縄から外され、ようやく声が出るようになった。許してと懇願する。うるさいと殴られ、そして涙が出てくる。泣いても痛みで叫んでも許しを懇願しても、その全てでうるさいと言われるだけだった。私には何の権利もなかった。ギブすることさえ許されない。このまま殺されると思った。

近頃は主の縄捌きで次に何をするのかが分かるようになったが、それが良い方向に働いたことはない。その次の縄に恐怖を感じ、より絶望するだけだ。そして今は、股縄に吊り縄が通されることがわかった。ずっと絶望の痛みを与えられている股縄をさらに吊る。あの人は文字通りの鬼畜だ。私が泣けば、泣いて許しを乞えば、笑ってその顔を見ているだけ。泣けば泣く程笑っている。主が完全に支配者としての顔をしていた。

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どれだけ泣いたのかも、意識を飛ばしたのかも分からなくなった頃、やっと縄が解かれ始めた。ただ、解かれているときでさえ、拷問だった。ぎりぎりのバランスで保たれていたいくつかの箇所は、解かれることによって一部にその圧が強烈にかかり痛みを与える。全ての縄が解かれても、まだ体に縄が残っているような感覚。今も痛みを感じたままに書いている。

 

そして、私は今、最高に幸せだ。主が与える絶望こそ、加虐こそ、私が生きる希望だ。

 

 

(後日写真追加)