繭の記憶

あるマゾにまつわる物語。

column #3 ギブ&ギブの関係

「主従関係」を求める大きな理由は、精神状態の安定だと思う。自分の確たる居場所を認識し、自分の中にない軸をその居場所を得ることによって作っているような感覚。

「精神状態の安定」という大きなご恩をいただいているので、それ以上求めることがない。むしろ、その恩にお返しできるほどの大きなものを持っていないという自責の念もある。だからこそ、私は自分のあらゆる要素を使って主の生活を少しでも心地よいものにしたいと考えている。

でも、それなのに、主は私に大きな安心と加虐をそれこそ途切れることなく与えてくださる。だから、私はさらにお返ししたくなる。そんなやり取りを続けてもうすぐ1年。私たちにはたくさんの楽しい思い出ができた。このようなギブ&ギブの関係は、いつまでも温かいままで、自分の何かをすり減らすことがない。たとえ、主が遊びに行かれたとして私が精神的な落ち込みをしないのは、もちろん私の性的嗜好もあるが、それ以上に、そういう落ち込みをしないようにコントロールしていただいているからだと思う。

出会ってしばらくしたころ、主の界隈での存在がどのようなものかを知り、怖くなった時があった。私が従者でいてよいのか分からなくて、主を試したこともあった。でも、主はそれを見抜いて厳しく躾けてくださった。主が出会った日に仰った「付き合うことで病ませないよ」という言葉は、私の大きな心の支えになっているし、実際にこれまで深く病んだことがないのだから、本当に有言実行の男だなと思う。

 

私も、言葉で取り繕うのではなく、行動で示す人になりたいと思う。

本当に主は素敵な人。

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