繭の記憶

あるマゾにまつわる物語。

異常性癖に生きる

貴方に会えば、絶望が待っていることはわかっている。それでも、会いたくなる。あの絶望に会いたくなる。

あの苦痛は、この世のどこにもない。それを求める自分が憎い。マゾという自分も嫌い。それでも、どうしてもやっぱりそこに戻らないと生きていけないの。

苦痛を与えられて、絶望を迎えても、「許して」と言うなと言ったのはいつかの貴方。それでも、言ってしまいそうになる。そして自分の被虐性がこの人の求めるものに遠く及ばないのではないかと思ったりする。飽きられるのではないかなとも思ったりね。

でも、そんなこと、滅多に思えないから、振り返ればそれは随分と幸せなことなんだけど、、、あの時はやっぱり怖かったりするのよ、これでも。

たった一本の縄で、留めもないのに、「ただ可動域を殺すだけ」というその縄は、私の被虐性をも殺す。黙れとその縄が命令するの。久しぶりの後手は褒美?それとも単純な加虐欲?作戦?そんなことどうだっていいか。

「綺麗やで」と言いながらその体を痛ぶられるというその行為に温かさを感じてしまうのはきっとこちらも異常だから。その異常さを互いに抱きながら、苦しみながら、それでもこの世界を愛していたりするよね。きっと貴方も。

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