繭の記憶

あるマゾにまつわる物語。

prologue #1

主との出会いはあるサロンだった。緊縛愛好家たちが集うサロン。その日、私がサロンに足を踏み入れるとすでに縄が始まっていた。それを撮影していたのが主だった。

 

「あ、私はただのカメラマンなので」

なんてよくわからない自己紹介をされて、第一印象はあまり良くなかった。

 

そして、サロンの主催者の方に声をかけられる。

「あ、繭ちゃん、今日Sさんの縄受けてみない?」

「あ、、は、、はい。」

正直戸惑った。まだ一言二言しか言葉を交わしていない、どんな縄をするかも知らない相手の縄を受けることが少し怖かった。

 

「よろしくお願いします」

お互いに挨拶をした後、縄が始まった。後手。もう私はこの人の縄を受けるしかなくなった。

胸まで縛られたあと突然お腹に強い縄がかかった。苦しい。とてつもなく苦しい。でも、、、とても好きな苦しさだった。こんな責めがあるのだと驚きもあった。

 

その後の記憶はあまりない。お腹の苦しみは段々と強い快楽に変わって、いつのまにか意識が飛んでいたのだと思う。今までで最高に苦しくて、優しさを感じる縄だった。

 

縄が終わった後、私は少し主から距離をとっていた。怖かった。あの人の元にいきたいという気持ちが恐ろしいほどありつつ、近づいたら終わりだと思ってた。

 

ご飯が終わり、だんだんと人数が減ってきた時、主に呼ばれた。主が自分の足元を指さして「ここにおいで」と。

体が勝手に動いてた。もう、私は従うしか選択肢がなかった。床に擦り付けられる顔。スカートを捲り上げられて痛みを与えられるお尻。痛みで叫ぶほど掴まれる胸、そして、、、キス。

 

そんな時間が過ぎていくうちに空は明るくなっていた。

 

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